「太極拳ならできます。」や「太極拳は簡単なので…。」など、このようなことを時々聞くことがあります。
確かに太極拳はゆっくりとした動作で行い、健康になれ老若男女問わず楽しんでいるイメージがあります。
しかし、「太極拳は簡単なので…」なのでしょうか？
太極拳とは・・・？
太極拳はれっきとした武術です。
武術とは、外敵から自身を守れ、身を守るために自身を鍛え、代々伝えられた知識を身につけ更に伝承していくものです。
武術を身につけるのは長く厳しい鍛錬と、武術を正しく身につけた師に就くことが必要不可欠となります。
ではなぜ「太極拳なら簡単なので…」となるのでしょうか。
これは私の経験上の話になりますが、制定拳（簡化24式太極拳など）を楽しんでいる方の中に少数ですが、制定拳の套路を覚えただけで太極拳の真髄を極めたと勘違いする人がいるようで、このような誤った情報が伝わって、なぜか「太極拳なら簡単なので…」となってしまうのではないでしょうか？
制定拳は、その作られた目的が、自身を健康にでき、また左右対称の動作を多く行うため、脳の活性化にも繋がる等々。それだけでとても素晴らしいものです。
簡化太極拳というのは健康増進を目的とした「武術」ではなく「運動」だと言うことを認識して伝えて欲しいと思います。
しかし、我々伝統的な太極拳や武術を行っている者たちは、どうしても秘密主義になってしまい世の中に発信しようとしません。
それでは、武術としての太極拳は世の中に知ってもらえず、愛好者の多い制定拳が太極拳の全てだと思われても仕方がないことでもあります。
我々精華武術會も伝統的な太極拳をたくさんの方に知ってもらうため、積極的に活動を行っていますが、まだまだ力が及んでいません。
太極拳は、「手型」「歩型」を理解し、「立ち方」「放鬆」「呼吸法」を学び、「歩法」「身法」を覚えてから「套路」の学習に入っていきます。
套路を覚えると、「技の意味」と「連環」を学んでいきます。
概略だけでもこのようにたくさんの項目があり、これは太極拳に限らず武術全般に言えることですが、武術を身につけるには長く厳しい鍛錬が必要となります。
やはり、太極拳や武術は全く簡単ではありません。
しかし、とても心身共に良いもので、とても素晴らしいものです。
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